かまぼこ板が出来るまで
一枚のかまぼこ板が出来るまで
先日、大分県日田市の「髙瀬文夫商店」さんを訪ね、かまぼこ板づくりの現場を見学してきました。一本一本の木を見極め、丁寧に仕上げられる板。その仕事の裏側を紹介します。
髙瀬さんの工場では、国産のモミや杉を丸太から仕入れ、製材・乾燥・焼印まで全て自社で手掛けています。
一本一本の木の個性を見抜き、板になるまでの丁寧な仕事ぶりには、思わず見入ってしまいました。
人と機械、両方の目を通して確かめられた板。私たちも安心して使わせていただいています。
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1原木の仕入れ
木材市場で原料となる原木を選定。一本一本の年輪や木目を見極めて仕入れます。
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2原木搬入
約4メートルの原木を工場に搬入。受け入れ後、一本ずつ状態を確認します。
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3皮むき
表面の樹皮を丁寧に剥ぎ、内側の美しい木肌を露わにしていきます。
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4玉切り
原木(4メートル)を半分の長さに玉切りします。一つひとつ断面を確認し、慎重に進めます。
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5製材
年輪や繊維の流れを読み取り、かまぼこ板専用に製材。杉の個性を活かします。
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6乾燥
木の内部までしっかり乾燥。水分や臭いの元を取り除き、安定した品質に整えます。
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7養生
乾燥後の木材を養生。時間をかけて木の状態を落ち着かせ、反りや割れを防ぎます。
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8カンナ
表面をなめらかに仕上げるカンナ掛け。食卓に並ぶ蒲鉾にふさわしい美しい肌ざわりに。
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9かまぼこ板の幅にカット
蒲鉾の規格に合わせて幅方向にカット。細やかな調整で均一な仕上がりに整えます。
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10横切り
板の長さ方向を整える横切り加工。端部を美しく揃え、仕上がりを整えます。
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11目視検品
職人の目で一枚一枚を確認。木目・色合い・傷など細部まで厳しくチェックします。
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12カメラ検品
画像検査機を使い、自動で欠陥を検出。人の目では見落としがちな微細な不良も確認します。
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13焼印
ブランドや規格ごとの焼印を押印。一枚一枚、丁寧に仕上げていきます。
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14焼印の画像判定
焼印の状態を画像判定装置でチェック。かすれやズレを防ぎ、品質を保証します。
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15金属探知
金属探知機で全品検査。異物混入を防ぎ、安全なかまぼこ板をお届けします。
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16目視検品
最終工程でもう一度目視検品。全体の品質を確認し出荷基準を満たすものだけを選別します。
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17結束
用途や出荷先に合わせ、かまぼこ板を結束。輸送時の品質保持にも配慮します。
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18包装
清潔な環境で包装を実施。完成したかまぼこ板は全国の蒲鉾メーカーへと出荷されます。
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19安岡蒲鉾へ
包装を終えたかまぼこ板は、安岡蒲鉾へと送り届けられ、かまぼこ作りの舞台へ。
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20板かまぼこへ
最終検品を経て、蒲鉾職人の手に。かまぼこの美味しさを支える一枚として使われます。
髙瀬文夫商店の思い
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㈱髙瀬文夫商店
安岡蒲鉾で長年お世話になっている、大分県日田市 創業63年の髙瀬文夫商店さん。かまぼこ板専門メーカーとして、天然木ならではの質感を活かしながら、食品にふさわしい衛生性と耐久性を実現。独自の特許技術で板の反りや割れを防ぎ、かまぼこの品質保持に貢献されています。
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杉の恵みを未来へ
「間伐材=エコ」という考え方もありますが、髙瀬文夫商店では伐採期を迎えた国産杉の大径木を活用しています。現在は国内で需要が低迷する杉大径木を、かまぼこ板として有効に生かすことで、林業の循環と持続的な食文化を支える取り組みにつなげています。
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杉のすべてを活かす
かつては「白い杉材」が好まれ、赤身は敬遠されていましたが、髙瀬文夫商店では独自の脱脂・脱臭技術により、赤身の美しさを活かしたかまぼこ板を実現しています。国産杉のすべてを無駄なく活かし、森の恵みを大切に使うことで、地域の林業と日本の食文化を支える取り組みが、いま全国の蒲鉾メーカーにも広がっています。
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九州から四国へ
大分県日田市から、愛媛県宇和島市へ。職人の手で丁寧に仕上げられた杉のかまぼこ板は、220kmの距離を越えて届きます。地域の自然と技術をつなぐ、この“木の道”こそが、安岡蒲鉾の味を陰で支えています。まさに「おいしさを支える土台」を届けてくださっています。







