八幡浜のトロール漁
八幡浜のトロール漁
トロール漁とは、二艘の漁船で網を曳いて魚を獲る漁法。八幡浜を拠点としたこの漁は、9月1日から翌年の5月15日までの間、3〜4日ごとの航海を繰り返す。この数日間の操業と、帰港してすぐに氷や水、燃料、食料などを補給し、再び出港するサイクルが一航海。まさに漁師たちにとっては、海とともに暮らす日々だ。


トロール船は八幡浜港を出港してから約3~4日間漁を行い、再び帰港します。帰港後は、船内に積まれた新鮮な魚を市場に下ろし、すぐに次の航海に向けて準備に入ります。氷や水、食料、トロ箱などを積み直すと、間を置かず再び出港します。この一連の流れを「一航海」と呼び、毎年9月1日から翌年5月15日までの間、このサイクルを繰り返して操業しています。
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1出港
目的地に向けて出港します。網入れの時間から逆算して時間を調整。
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2漁場選定
魚種の水揚げ状況や天候などを考慮して漁場を選定。
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3投網
漁労長がポイントを決定し、網を投げ入れます。
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4操業
2隻で網を曳き、約2〜3時間操業。
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5食事
厨房長が新鮮な魚介類を使った料理を提供。
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6網揚げ
網を巻き上げ、漁獲物を確認。
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7選別
種類、サイズ、鮮度ごとに魚を選別。
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8帰港
母港へ帰還。
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9荷揚げ
漁獲物を素早く荷揚げ
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10競り
魚市場で競りにかけられます。
トロール船乗船体験記
今回お世話になったのは八幡浜市にある昭和水産の「海幸丸」。操業海域は高知沖から豊後水道、さらには宮崎・鹿児島沖までと広範囲にわたる。この日は5月の試験操業で、高知沖が漁場となった。トロール漁は船長の合図とともに網を投入し、2隻の漁船が一定の間隔を保ちながら2〜3時間並んで曳航する「2そう曳き」漁法で行われる。
漁場に到着し、網入れが終わると、船員たちは束の間の休息を取る。この間に食事をとり、一仕事終えた後の食事は、船の生活で一番楽しい時間だ。厨房長が用意する料理はどれも美味しく、乗組員たちのエネルギー源となっている。
今回の乗組員は、日本人に加えて、インドネシアからの実習生。実習生の一人は、遠く離れた故郷の妻と2歳の娘に毎月仕送りをしている。人手不足が続く中、彼らの存在は今や欠かせない。やっぱり、支えてくれる人がいてこそ、漁は成り立つのだ。
網を巻き上げる瞬間は、緊張と高揚感に包まれる。船員たちの息が合った作業で、海底を旅してきた網が水面に現れると、大小さまざまな魚が一斉に跳ね上がる。赤ムツ、ホウボウ、アマダイ、レンコダイ、メバル……どれも輝くような新鮮さだ。
魚をすばやく選別し、トロ箱へ。体を休める暇もなく、漁師たちは次の準備に取りかかる。決して派手ではないが、息をのむほど美しい仕事だった。
四泊五日の、この体験を通して、普段口にしている魚が、どんな人々の手を経て、どれほどの労力と技術によって届けられているのかを肌で感じた。と同時に、海の豊かさと、それを支える漁業の現場の大切さを知る機会にもなった。
安岡蒲鉾が扱う魚もまた、こうして漁師たちの手で水揚げされたもの。やっぱり、いい素材は、いい現場から生まれる。あの船の上にいた時間は、私たちのものづくりの原点をもう一度見つめ直させてくれた気がする。







